coroの各状態で各methodを呼び出した時に起こる事
検証環境 CPython3.9.7
CORO_CREATED
.send()None以外を送るとTypeError: can't send non-None value to a just-started coroutineが起こり、状態はCORO_CREATEDのまま。.throw()投げた例外がそのまま湧き、状態がCORO_CLOSEDになる。.close()状態がCORO_CLOSEDになる。
CORO_SUSPENDED
.send()特に氣になったこと無し。.throw()同上。.close()同上。
CORO_CLOSED
.send()RuntimeError: cannot reuse already awaited coroutineが起こり、状態はCORO_CLOSEDのまま。.throw()同上。.close()状態はCORO_CLOSEDのまま。
CORO_RUNNING
.send()ValueError: coroutine already executingが起こり、状態がCORO_CLOSEDになる。.throw()同上。.close()同上。
結果を見て思うこと
起こる例外は全て TypeError, RuntimeError, ValueError といった一般的な物でありcoro専用の物ではないので、これらの例外を捕まえた側のコードがその原因を知るのは容易ではない。なのでlibrary側はこれらの例外がそもそも起きない様に立ち回る必要があると思う。
中断を表す独自例外を用いるか否か
独自例外を用いていようがcoroがGCによって捨てられる時には GeneratorExit が起きてしまうので利用者はそれから逃れる事は出来ない。結果次のようにして両方の例外に備えないといけない。
def async_func():
try:
...
except (GeneratorExit, 独自例外):
中断時に行いたい処理
raise
ただこのやり方だと利用者が片方の例外を書き忘れる怖れがあって危険だと思う。 ではcoroへの参照(実際にはcoroを包んでいるTaskへの参照)を何らかの方法で保持してGCに捨てられないようにしたらどうかという話になりますが、良い方法を思いつかないので独自例外は用いない方向でいく事にする。
追記(2023/05/22)
両方の例外を含んだtupleを用意してやれば利用者側が書き忘れる可能性は低いだろう。
Cancelled = (GeneratorExit, 独自例外, )
def async_func():
try:
...
except Cancelled:
中断時に行いたい処理
raise
coro.send()で例外が起きなかった場合でも状態がCORO_CLOSEDになる事がある
investigation/current_task_enlarges_the_call_stack.py を実行して分かる通り current_task() だけを await しているとcall stackは肥っていく。
この時どうやら Task._step() が入れ子になって呼び出されているようである。
結果的に内側の Task._step() が StopIteration を受け取った場合は外側の Task._step() では例外が起こらないのにcoroの状態が CORO_CLOSED に変わっている。
この事は Task._throw_exc() と asyncgui.start() にも言える。
なので Task._actual_cancel() を呼ぶ前にはcoroの状態が CORO_SUSPENDED であるかの確認が必要と思う。
中断scopeが連続した場合の懸念
async def async_fn():
with open_cancel_scope() as scope1:
scope1.cancel()
with open_cancel_scope() as scope2:
await ...
scope1とscope2は深さが同じであるためscope1.cancel()はscope2を中断させてしまう。
これを防ぐためにはcontextmanager側が中断を取り消す必要がありそう。
ExceptionGroupを用いればcoroを閉じた時に発生した例外を外に運べるか?
無理そう。
# 環境 CPython 3.11.0
from types import coroutine
@coroutine
def sleep_forever():
yield
async def error_on_cleanup():
try:
await sleep_forever()
except GeneratorExit as e:
raise BaseExceptionGroup("error_on_cleanup", [e, ZeroDivisionError()])
async def no_error_on_cleanup():
await sleep_forever()
async def outer(async_fn):
try:
await async_fn()
except* GeneratorExit as e:
print("except* GeneratorExit:", repr(e))
# raise e.exceptions[0]
raise
except* ZeroDivisionError as e:
print("except* ZeroDivisionError:", repr(e))
assert False
def main():
coro = outer(error_on_cleanup)
coro.send(None)
coro.close()
# coro = outer(no_error_on_cleanup)
# coro.send(None)
# coro.close()
main()
Task-Local Storage の実装
どのようなやり方でいくか悩ましい。
- contextvars
- GeneratorExitが起きた時にどのようにContext内でコルーチンを動かせば良いのか分からない。
- TaskTree-Local Storage
wait_any()やwait_all()で築かれた親子に同じStorageを共有させる?
子Taskを開始する時に中断保護を受け継がせるべき?
structured concurrency系のAPIに於いては、もしかすると子taskは親taskの中断保護の影響を受けるべきかもしれない。
async def _wait_xxx(...):
...
try:
with CancelScope(parent) as scope:
dc = parent._disable_cancellation
on_child_end = partial(on_child_end, scope, counter)
for c in children:
c._suppresses_exc = True
c._on_end = on_child_end
c._disable_cancellation = dc
start(c)
await counter.to_be_zero()
...